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2019年 厳冬期北海道徒歩横断

03. 北海道の中心へ

03. 北海道の中心へ

小樽から札幌へ

小樽の町を離れて国道5号を東へ、札幌を目指す。

今日も引き続き雪が酷い。 小樽の市街地を離れるとしばらく何もないエリアが続いた。 気温はやや高めなので凍える程の寒さは感じないが、なかなか休める場所がないのは難点だ。 そろそろどこか良い場所はないだろうか。

フォンダンショコラの癒し

View Cafe Your Time
フォンダンショコラ
View Cafe Your Time
小樽市張碓の絶景カフェ
北海道小樽市張碓町351番地
0134-62-1239

そう思っていたら降りしきる雪の向こうにCafeという文字が見えた。 そのView Cafe Your Timeに吸い込まれるように入っていく。

ちょっと自分にはおしゃれ過ぎる気もするがたまには良いだろう。 元々甘いものも大好きなのでこういう機会でもなければなかなか入れる店ではない。

メニューには甘いものが色々と並んでいるが、しばし悩んでフォンダンショコラを注文。 そのほろ苦い甘味が疲れた体を癒していくのを感じた。

降り積もる雪
札幌市

やがて小樽市から札幌市に入る。

札幌市は言わずと知れた北海道最大の都市だ。 道庁所在地でもあり、北海道の人口の約3割が札幌に住むという。 綺麗に区画整理された住宅街が広がり、いかにも「街」といった雰囲気だ。

こうして歩いていて初めて気付いたが、小樽市と札幌市は隣り合っていたらしい。 それぞれの中心地同士がだいぶ離れているので、間に他の市町村を挟んでいるかと思っていた。

1月10日に函館を歩き始め、今日が17日目の1月26日だ。 距離にして260㎞程歩いてきた。 丸2日の停滞日を考えても1日17㎞ペース。 少しのんびりペースかもしれないが、早ければ良いというものでもないしこんなものだろう。

行列のできるクロワッサン専門店

深井商店
深井商店
〒006-0033 北海道札幌市手稲区稲穂3条7丁目5−1 こがねショッピングプラザ
011-215-5878

国道5号沿いを歩いていると横道に行列が見えた。 その行列の先には「深井商店 クロワッサン専門店」と書かれた看板が見える。 その下には「完売にて閉店」とも書かれている。

ちょうど開店したばかりだったようで、人の列はじわじわと店に吸い込まれていく。 見たところそれほど長く待たなくてもよさそうだったので、ついでに並んでみることにした。

多種多様のクロワッサン
多種多様のクロワッサン

やがて自分の番が回ってきたのでトレー片手にクロワッサンを選んでいく。 クロワッサン専門店を名乗るだけあって店内の商品は全てクロワッサン。 その種類はかなり多い。 中には10個以上買っている人もいたが、そんなに大量に持てないので厳選して3個に絞る。 カスタード、くるみとアーモンド、栗を選んでみた。

会計の際に聞いてみたところ、1日に500個程のクロワッサンを焼くが早い日は1~2時間で売り切れてしまうこともあるとのこと。 なるほど、それならわざわざ行列を作ってまで待つのも納得できる。

購入したクロワッサンを齧りながら札幌市の中心地を目指す。 札幌駅に近付いてくると小洒落た服装の人が目立つようになってくるが、そんな中で巨大なザックを背負った旅人はさぞ浮いていたことだろう。

ゲストハウスつむり庵
札幌円山ゲストハウス つむり庵
〒064-0821 北海道札幌市中央区北1条西22丁目1−18 モントレ表参道
0116-99-5669

札幌は街が広すぎてさすがにテント泊は難しい。 札幌市円山にあるゲストハウスつむり庵という宿に部屋を取った。

大通公園も徒歩圏内でかなりの好立地だが1泊3000円と非常にリーズナブルだ。 早めにチェックインさせてもらい、荷物を置いて札幌の散策に出る。

準備の進むさっぽろ雪まつり

札幌市時計台

札幌は以前の旅で鉄道の乗り換え時間に駅前を少し散歩した程度で、じっくり見て回るのは今回が初めてだ。 赤れんが庁舎から駅周辺、札幌時計台、大通公園などをぶらぶらと見て回る。

さっぽろ雪まつり会場
大通公園
北海道札幌市中央区

大通公園では間近に迫るさっぽろ雪まつりの準備が着々と進められていた。 巨大な雪の滑り台や数々の雪像、そしてこれから雪像になるのであろう巨大な雪のブロックがあちこちに配置されている。

これら大量の雪はさすがに公園周辺で確保できるわけではなく、雪の多い地域から運んでくるそうだ。 その量はダンプカー数千台分にもなるらしく、この祭への力の入れようがうかがえる。

雪像を作る自衛隊員
雪像を作る自衛隊員

もはや恒例となった自衛隊による巨大雪像。 何かのキャラクターや時計塔のようなものを作っている様子が見て取れる。 明日には札幌を離れているので完成した状態を見ることはできないが、こうした制作風景を見るのもまた面白いものだ。

札幌名物スープカレー

札幌ドミニカ
スープカレー

夕方には札幌に住む兄と合流して近場のスープカレー店に連れて行ってもらった。 今ではすっかり札幌の名物となっているスープカレーだが、それほど昔からあったわけではないようだ。 本格的に知られるようになったのは2000年を過ぎてかららしく、それ以前はごく一部の店で出されていた程度のものだったとのこと。 それが今では札幌中心地で探せば数十店舗はあるだろうというほど地域に定着している。

スープカレー自体は過去に何かで食べたことがある気もするが、専門店で食べるのは初めてだ。 カレーライスに使われるようなルーとはまったく異なるもので、完全にスープ専用としてそのまま飲んで美味しい味へと再設計されている。 肉や野菜、ゆで卵がごろごろと贅沢に盛り付けてあり、ひとつのスープ料理として完成されていた。 店員のアドバイスに従い、ライスをスプーンですくい、スープに浸して口へ運ぶ。

辛さが10段階あったので5を選んでみたら、思った以上に辛くて顎から汗が垂れる。 だがその辛さがたまらない。 冬の寒さで冷えた体が芯から温まるようだ。

広大な石狩平野

冷蔵庫に用意された朝食

翌朝、ゲストハウスつむり庵の冷蔵庫にはサービスの朝食が用意されていた。 ありがたくそのピザトーストを温めて食べ、荷物をまとめて出発する。

出番のない自転車
巨大な温度計

札幌の中心部を東に向けて進む。 昨日までの大雪から一転して今日は良い天気だ。 大通公園沿いのビルにある巨大な温度計は-5度を示している。 程よく温かく、歩きやすい一日になりそうだ。

除雪された歩道
バスの待合所だったもの

さすが都市部だけあって歩道もしっかりと除雪されているが、歩いている人は少ない。

バス停もちょくちょく見かけるが利用者はかなり少ないように見える。 バスの利用者が多かった時代の名残なのか、一応残しておいてある、といった感じのバス停も多い。

札幌ラーメンどさん子
からあげ定食
札幌ラーメンどさん子
〒067-0052 北海道江別市角山455
011-383-1035

国道275号沿いで見つけた店で昼食。

からあげ定食をご飯大盛で注文して待っていた時、メニューの中に「おかず大盛」という文字を見つけた。 珍しいなと思い店員にたずねると、からあげを2個追加できるという。 通常でも大きなからあげが6個ついてくるのに、さらに2個追加できて、それでも1000円を切るという価格設定。 後付けになって申し訳ないとも思ったが、からあげ大盛の誘惑に勝てず追加で注文することにした。

塔へ

ちょうど店のある交差点から道道46号に入り、江別市の市街地方面へ進む。 札幌の市街地を抜けてからというもの広大な農業地帯が広がっていて、そのすべてが真っ白な雪原になっていた。 札幌を含むこの石狩平野は関東平野と十勝平野に続いて日本で3番目に広い平野だそうだ。 そしてその大部分が農業地帯となっている。

特急オホーツク
特急カムイ

国道12号に入り北上を続ける。 国道に並行して延びるJR北海道の函館本線を時折列車が走り抜けていく。 あの列車が数時間程度で結ぶ距離も、こうして歩いていくとなると何日、あるいは十何日とかかることだろう。 遅々として進まないそのスピードは歩き旅の難点ではあるが、それが面白いところでもある。

雪に埋もれたバス停

相変わらずぽつぽつと見かけるバス停だが、人が待っているのを見かけたことがない。 このバス停では時刻表が完全に雪に埋もれて見えなくなっていた。

ラーメンと道産中華 岩見沢軒
ラーメンセット

札幌から先は農地と町が交互に現れる。 広大な農業地帯の中に、鉄道駅を中心にコンパクトにまとまった町ができている。 町を抜けるとしばらく農地の中を通り、またしばらくすると町が見えてくるといった感じだ。 そうしていくつ町を抜けたか、やがて岩見沢の町に差し掛かった。

ライダーハウス併設の松乃湯
ライダーハウス日の出
〒068-0825 北海道岩見沢市日の出町24
0126-24-8826

もう少し進もうかと思っていたが足も疲れていたので宿を探す。 すると温泉が併設された一泊1300円のライダーハウスを見つけた。 しかもその温泉の入浴料込みの価格だという。 これはもう泊まるしかないだろうと思いさっそく連絡。

併設の松乃湯はだいぶ古めかしい雰囲気だったが、湯に浸かれるだけでもありがたいもの。 少し熱めのお湯だったが寒い冬にはこのくらいが心地良い。

日本一長い直線道路

雪原と雪山
雪に埋まった車
歩道用の除雪車
雪に埋まる歩道橋

岩見沢を抜けて美唄(びばい)市に入る。 光珠内(こうしゅない)駅を過ぎて少し行ったところでやたら目立つ看板が目に入った。

日本一長い直線道路
日本一長い直線道路
北海道

直線道路日本一。

そう書かれている。 その距離は29.2㎞もあるそうだ。 地図で見てみると定規で引いたかのごとくまっすぐな直線が延びているのがわかる。

実際この地を開拓する際に定規で引いたのだろう。 ほぼゼロの状態から開拓した北海道ならではの風景と言える。

クックカフェ 旅の途中に
桜エビと岩のりのクリームスパゲッティ
ウィンナーコーヒー

途中で適度に食事をしながらただひたすら一直線に進んでいく。

実際に道に入ってみると、確かにわずかな緩いカーブすら存在しない。 完全に平坦ではないので緩やかなアップダウンはあるものの、進行方向は常に一方向に固定されていた。

産化美唄川

産化美唄(さんかびばい)川を渡る。

直線道路日本一の中間地点
道の駅ハウスヤルビ奈井江
道の駅ハウスヤルビ奈井江
〒079-0300 北海道空知郡奈井江町奈井江 28番地1
0125-65-5722

太陽がだいぶ傾いてきた頃になってようやく中間地点の道の駅ハウスヤルビ奈井江に到着する。

かなり歩いたはずだがまだここで半分か。 この倍の距離残っているのかと思うと気が滅入る。 車にとってはただひたすら運転しやすい道路かもしれないが、徒歩の人間にとってはなかなかの苦行だ。

パンケ歌志内川
日本一長い直線道路

日本一長い直線道路に入って2日目。 さらに北上を続ける。

空知川

昼も近くなった頃、大きな川を渡った。 空知(そらち)川だ。 石狩平野を流れる石狩川の支流に当たる。

その奥にはここ数日ずっと左手に見えていた山並みが今日も綺麗に見えている。 改めて地図で確認してみるとピンネシリという山がある山域のようだ。 一番高く見える山が恐らくピンネシリだろう。

日本一長い直線道路の終点

そして空知川を渡った先の信号がある交差点、そこには久しぶりに見るカーブがあった。 29.2㎞の直線道路がようやく終わったのだ。 二日間に渡り十時間は歩いただろう。 本当に長い道だった。

行く手をふさぐ山々

日本一長い直線道路の終点付近で滝川市に入る。

この先は美瑛に向かう予定なのだが、問題はちょうど美瑛との間に山地が立ち塞がっていることだ。 美瑛に向かう道は山地の北側と南側を大きく迂回する形で通っていて、そのどちらに進んでも数十㎞単位での大回りとなる。 美瑛の後は南下して富良野方面に進む予定なので、南から回ると二度手間だ。 ならば北側を回って旭川経由で行った方がいいかとも思うが、それもまたかなり距離がある。

どうしたものかと地形図を眺めていたら、ちょうど美瑛の西側の山地に比較的なだらかで歩いて越えられそうな地形を見つけた。 そこを越えれば最短距離で美瑛に向かうことができそうだ。 登山道があるわけではなさそうだが、どうせ雪で埋まっているので関係ない。

取り敢えずそこを目指してみようということで、滝川市から東へ、空知川に沿って芦別市方面へ入っていくことにした。

焼き鳥
空知川の由来
小さな踏切
雪に覆われたソーラーパネル

広大な石狩平野から一転して両側を山に囲まれた谷沿いを進む。 その谷間を蛇行する空知川の周辺には赤平市の町が広がっている。 時々国道から外れて市街地の中を通ったりしつつ、谷の奥へと進んでいく。

柳屋食堂
柳屋食堂
〒079-1268 北海道赤平市茂尻元町北1丁目4
0125-32-3018

そろそろ腹が減ったなという頃に一軒の食堂に行き会った。 柳屋食堂という店で、開店時間は近いもののまだ準備中のようで入口は鍵がかかっていた。

外で待とうかとも思ったが氷点下10度を下回っており、じっとしているのはなかなかに辛い。 どうしようかと思っていたら通りすがりの除雪車の運転手が「厨房の扉をノックしたら入れてくれると思うよ」と声をかけてくれた。 少し迷ったもののやはり寒さが厳しいので言う通りにすると、店主が快く招き入れてくれた。

柳屋食堂
ロースかつとトリ天ぷらのスペシャルランチ

正確な数字は失念してしまったが、60年だか70年だか続いているかなり歴史の長い食堂だそうだ。 30種類もの500円メニューと、2種類のおかずを盛り合わせた1000円のスペシャルランチなど豊富なメニューが揃っている。 お勧めはとり天だということで、本来メニューにはないのだがとり天とロースかつでスペシャルランチを作ってくれた。

五重塔と北海道大観音
北海道大観音
〒075-0036 北海道芦別市旭町

赤平市を抜けて芦別市に入り、道の駅スタープラザ芦別に差し掛かる。 だいぶ良い時間だったので道の駅でテントを張らせてもらえないかと頼んでみたが断られたので別途テントを立てられそうな場所を探しながら進むことにする。 ここで国道38号から国道452号へ入る。

空知川を渡った先には五重塔と巨大な仏像が見えた。 以前はここに北の京・芦別というレジャーランドがあったそうで、北海道大観音と呼ばれるその巨大な仏像もその一部として建造されたらしい。 今ではそのレジャーランドも閉鎖され、大観音は現地の宗教法人の手に渡り管理されているそうだ。

国道452号
森の中の遺構
雪に包まれた東屋
雪煙

しばらく森の中を進むとレジャー施設のようなものが現れた。 地図ではちょうどこの東側に見える山を越えるとその向こうに美瑛の町があるはずだ。 そこからもう少し進んだ辺りが一番なだらかな地形のようなので、適当な場所を探して山に踏み込んだ。

厳冬の雪山を越えて美瑛の町へ

雪に埋まる林道

山に入って適当に登っていくと雪に埋まった林道に出た。

キノコに積もった雪
自分だけの足跡
雪を纏う森
スノーモンスター

しばらくは林道に沿って登っていくが、やがて道がなくなったのでそこから先は森の中を適当に進んでいった。

膝まで埋まる深い雪

山を越えれば最短距離で美瑛に出られる、などと考えていたわけだが、いざ踏み込んでみると想像以上に難儀する。 ここ最近降り続いた雪が分厚く積もり、しかも雪があまりにもふかふかでスノーシューを履いていても膝上まで沈み込む。 食料は4日分程あるので飢える心配は取り敢えずないのだが、遅々として進めない上にやたらと疲れる。

雪に埋まる林道
氷柱
雪の球体
雪の中を流れる沢

結局一日目では峠を越えられず、途中で一泊することとなった。 二日目にようやく峠を越えて山地の東側、美瑛側の斜面に出る。 そこから地形図を見ながら下っていくと沢沿いの林道に出た。

小さな氷瀑

美瑛側の斜面もやはり雪が多く、普通なら快適な下り斜面も雪が深すぎてまったく進まない。 二日目も美瑛に辿り着くことはできず、再び山中でテントを張ることとなった。

建造中の国道
美瑛を遠望する

そして三日目、ようやく美瑛の町が見える場所まで辿り着いた。

そこは雪に埋まった車道のように見えた。 それに沿って電柱のようなものが並ぶが電線は付けられていない。 取り合えず歩きやすそうなのでその道らしきものに沿って下って行ってみる。

通行止めのゲート
通行止めの標識
五稜ゲート

やがて行く手にゲートが現れた。

どうやらここは建造中の国道だったようで、山に入る前に歩いていた芦別市の国道452号と最終的に繋がる予定らしい。 これが開通すれば札幌方面と美瑛方面の移動はだいぶ楽になるはずだ。

しかしもしこの道がすでに完成していたら恐らくそこを歩いてきただろう。 今回のようなきつくも楽しい山越えをしようとは思わなかった可能性も高い。 そう思えばまだ完成していなくて良かったと喜ぶべきかもしれない。

牧場の猫
除雪作業
自動販売機に積もる雪
美瑛の丘とシラカバ
ふくらすずめ
白い息を吐く牛

そこから先は再び除雪された歩きやすい道となった。

ひとまず無事に山を出られたことに安堵する。 ちらほらと観光客の姿が見える美瑛の丘をゆったりと下っていく。 所々牧場があり、飼われている牛が白い息を吐き出していた。 木の枝に止まるスズメも羽を立たせてふっくらとしている。

美瑛の丘と十勝岳
美瑛の丘と大雪山

見晴らしの良い場所に出ると遠くに十勝連峰や大雪山が見えた。 上から下まで真っ白だ。 冬のあの辺りはさぞかし美しいことだろう。

しかしこれほど広大で視界の開けたなだらかな丘の風景というのも日本ではなかなか見られないのではないだろうか。 今の雪で白く包まれた風景も美しいし、花の時期になれば綺麗に色分けされたパッチワークのような花畑を楽しめるという。 観光客に人気が出るのも納得の風景だ。

再会

この美瑛には以前山で出会った知人が住んでおり、今回はそこを訪ねることにしている。

その相手は以前北アルプスを縦走中にたまたま同じテント場で出会った夫婦だ。 美瑛に住んでいるということで、もし近くに来ることがあれば是非遊びに来てと誘ってくれたのだ。 教わっていた住所を頼りに歩いて行くと、静かな丘の上に建つ一軒の家に辿り着いた。

知人宅

久しぶりの再会を喜んだ後、中へ招き入れてもらう。

立派な暖炉のあるリビングでのんびりさせてもらいつつ、旅の話などして盛り上がる。 特に奥さんの方はなんとも活発な人で、もう話の途切れる間がない。

巻き寿司
ピザトースト
フルーツ入りヨーグルト
贅沢な夕食
朝食セット

その日はちょうど節分だということもあり、大量の巻き寿司を作ってくれた。 ここ数日雪山の中でラーメンぐらいしか食べていなかったので久々の御馳走だ。 かなり空腹だったものも、しかしさすがに多すぎて全部は食べ切れなかった。

翌日は雪が強くなり一日停滞。 相変わらず奥さんがあれやこれやと腕を振るってくれて、申し訳ないぐらい贅沢な食事を食べさせてもらった。 結局2泊させてもらい、雪が落ち着いてから再び旅路へと戻る。 歩き始めて何度か振り返ると、見えなくなるまでずっと手を振っていてくれた。

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